便利屋日記
2004年〜2008年

いろいろ成功談・失敗談・苦労話などに季節の風物も折りまぜて、記帳していきます。よくある、あまり専門的でない、パソコンユーザーが遭遇するトラブルの解消法やお役立ち情報になっていれば幸いです。
・・・のつもりが、最初の志と違ってデータサルベージの話題ばかりになってきました。Only oneの情報になっていれば本望です。

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2008年4月16日(水)晴れのち曇り ブログへの移行
3年ぶりの書き込みです。この日記はここまでで終了して、今後は時流に乗ったブログに引き継ごうとただいま準備中です。しばしおまちください。

2005年6月9日(木)曇り オークションの評価欄
オークションに入札する時は出品者の評価欄をチラッと見て、「悪い」という評価がないことを確かめますが、下記のような例もありますから、時間があるときはよく読む必要があります。

 78件の「良い」という評価を得ています。
 0件の「悪い」という評価を得ています。
 4件の「どちらでもない」という評価を得ています。

――以下、内容が「悪い」評価の抜粋
○落札者から「良い出品者」と評価されました。
コメント:結果から申しますと、5個中4個が使用不能。残る1個も不良セクタが1/4有りました。良い勉強になりました。

◎落札者から「非常に良い出品者」と評価されました。
コメント:評価が遅れまして申し訳ございません。結果的に使用できませんでしたが無事に到着しています。ありがとうございました。

◎落札者から「非常に良い出品者」と評価されました。
コメント:動くHDDが一つもないとはなかなか厳しいですが、勉強をさせていただきました。2.5インチは新品を買ったほうが良さそうです。

◎落札者から「非常に良い出品者」と評価されました。
コメント:いずれにしてもいい勉強をさせていただきましたので評価に換えさせていただきます。

◎落札者から「非常に良い出品者」と評価されました。
コメント:これは一応動いたのですが、12%で動作不能でした。2.5インチはやはり繊細ですね。

◎落札者から「非常に良い出品者」と評価されました。
コメント:よく考えてみたら、僕がこの前普通の店で買った20GB−2.5のHDDも、保障期間直後に壊れました。

◇落札者から「どちらでもない出品者」と評価されました。
コメント:商品はすぐにとどきました。ありがとうございました。しかし、本当にジャンク品でした。フォーマットできず、からから音がしています。もう一度、別のものを入札したいと思います。

――ババを引いてしまった落札者が「良い」、「非常に良い」、と自虐的な評価しているのは、予め「HDのコンディションは一切不明です、チェックは3点チェック(A−ディスク割れ無し、B−ピン折れ無し、C−大きな外傷無し)のみでその他は一切保証無し。」という条件付きで出品されていたもので、そのほかにも長々と予防線が張ってあり、クレームが封じられているからです。
しかし、こ
の出品者は予め「すべてのHDのコンディションをチェックして知っており、ダメなもののみ」を出品しているか、さもなければ「コミを拾ってきて売っている」可能性があります。実はかくいう小生も一つババを掴んでしまい「勉強させていただいた」一人ですが。トホホ。

2004年9月27日(月)小雨 故障ハードディスクの音による診断と救出法
ハード障害は「基板交換」しか能が無いと見られがちな福澤商店ですが、そのイメージを払拭していただくために何例かご紹介します。ユーザーの皆さんにこれを実行しなさいという意味ではありません。まよわず福澤商店にどうぞ。

1.ウッ、ウッ、(2回くらい)、あるいはクークークークーの連続音
ヘッドが吸着してディスクが回ろうとしているのに回れない音。この数年はディスクの回転が落ちればサスペンションがディスクの外に出るように設計されているから、吸着は起こらない筈と思われがちだが、その構造でも起きる。吸着してしまえば戻れない。この対応法として「手のひらに載せてパンッと膝を打つ感じで叩く」なんて言葉をネットで見たことがある。当店はクリーンブースでフタを開け、カッターの先で引き剥がします。引き剥がした後、ディスク表面に1個の小さなゴミが付着していて、実体顕微鏡で観察したら剥がれたヘッドだったこともありました。ヘッドが壊れる確率、ディスクに傷をつける確率が非常に高いので、一か八かです。同じ音でヘッドは吸着していないのにこの音が出ればモータが焼きついている。

2.チャッキーチャッキー
いわゆるカッコン音。現実にはもっと鋭い音、バチン、バチンとかいろいろ。2.5インチと3.5インチとでも大分異なる。連続して繰り返される場合と少ない回数で終わる場合とがある。基板交換で直ったことがある。逆に合わない基板をつけて発生することもよくある。救出が終わった原本ディスクを手が滑って床に落としたことがあり、その時この音が発生したこともある。容量の小さな古いHDDでマグネット位置をいじると直ったり発生したりした。外縁部円周上にキズがありその畝に当たって戻っていた例もある。ディスク始動時に外周部のフォーマットデータが読めないために起きるのが一般的。フォーマットデータがCRCエラーなのか、ヘッドに障害や汚れがあるのか、マグネットがズレてヘッドの位置がおかしいのか、基板のファームウエアに障害があるのか、いろいろの場合がある。

3.シューーー
ディスクの回転音のみで、サスペンションが動いていない。サスペンション側の電源がどこかで途絶しているかファームウエアの障害。基板交換で直る。MPGで基板交換したらブルルルルとフォーマットデータを読み込んでいる音がしたのにBIOSで認識されない例があり、リカバリツールで直ったことがある。

4.無音
ディスクが回転していない。ディスクが回転しなければサスペンションも動かない。モータに電気が通じていない。基板交換すれば動くようになるが、基板交換しても今度はカッコン音ということもある。有名なQuantum lct10が無音なら、大抵の場合基板のチップに焼け焦げ跡がある。

5.ヒューン、キュッ
起動早々にディスクが止まってしまう。ヘッドとトラックの位置関係の歪み。落下機でこの音がして認識しない例では、落ちたのと反対側をドライバの柄でパチンと一発叩いて認識するようになり、即イメージコピーをはじめたら終わりまで行った。動作中のHDDを傾けるとこの音がすることがある。

6.シャカシャカ(BIOSで認識、途中からこの音が出る場合)
この例は非常に多い。エラーセクターのためにサスペンションが出直しをする音。OSのロゴは出るが途中でフリーズするとか、ルートディレクトリは見えるのに複写できないとかの症状の場合はこれ。エラーセクターが規則正しく間歇的に現れる場合はヘッドがズレている。

以上、思いつくままに挙げてみました。これは厳密なものではありません。かなり不備があり、断定的にいっている個所でも他の原因・対処法が十分ありえます。親切な方のご教示ご批正をお待ちします。(2005/9/11加筆・訂正)

2004年9月5日日曜日雨 私の2枚の写真
昨日、今日は殆ど半年振りのオフ。このページも半年振りです。
私が痩せていた頃の写真を見たことがない読者のために、たしか「メイト研究」にニューヨークで撮ったのを載せていたはず。あの頃ならスラリとした青年の姿形のはず。と、残してあった雑誌をロッカーから引っ張り出したら、おっと残念、真ッ黒で全然証拠にならない。

これを撮ったのは、9.11の事件より10年くらい前です。フルックリンからも遠くに貿易センタービルは見えていたみたいですね。
森周作というニューヨークで家具製作20年の旧友に合い、メトロポリタン美術館か自由の女神かどっちにする?と聞かれて、後者を案内してもらったのでした。下から見上げると、どう見ても太ったおばさんの自由の女神、great mama。僕のNikon F2を見て「イイカメラダネ」とかなんとか言って近づいてきた掃除のおじサンに、森君は"His part of body" と受け答える。相手の決り文句はやはり"great!"。なつかしいなあ。森君は成功したかな?

もう一枚は「日経パソコン」2003/3/17号からの切り抜き。
太っているかやせているかはっきりしませんが、一年半前だと、まだ営業で出歩くこともあり、ネクタイをしていますね。
近ごろは出歩くのはコンビニとヨドバシくらいなので、Tシャツに短パン、サンダル,、とだらしない格好。朝、犬と公園に行くときは蚊にさされないように長ズボンにYシャツ、スニーカで、この方がましな格好をしています。
まあこういう姿です。

4/02/24(火)晴れ
「壊れたメディアを救え!」特集
『アスキーPCExplorer 2004/3』。サルベージ業に埋没していて新しい雑誌をとんと読まない当店ですが、これだけは読まなくっちゃね。WinExChangeは不明な拡張子を復元する。CD研磨機SKIPDRは12000円(安うい!)、ANTIDOTE for PC Media RescuerはUDFフォーマットも扱えるとか・・・・。うーん、知らなかったな。イロイロ参考になります。福澤商店とか専門の業者に自分で試す前に問い合わせてみようなんて書いてもある。勉強しとかなくっちゃ。
ところで、USBやIEEE1394の外付けHDをFAT32のままMacで使っていて、ある時空っぽになってしまったという事例を今救出したばかりです。
前にもどこかに書いたけど、使ったツールはDisk Salvage ToolsとWindows版のNDD。FATの修復で2時間くらいかかり、途中何度やめようかと思ったか知れませんが、外出して戻ってみたら、きれいに復元されていました。MacDrive5がインストールしてあるのに、Windowsのドライブとして認識するのが変ですが、Macの方ではMacドライブと認識され、他のHFS+ドライブに急いで25GBのデータを複写したのでした。ユーザーがいろんなことを試さないで持ち込まれたのが、第一の勝因でした(^^;)。

04/02/09(月)晴れ
『例外0D』
【症状】Windows98起動中にブルーになり「例外0Dが0647:00000CDCで発生」と表示され、Ctr+Alt*Delを押すと、再起動してSafe Modeの選択画面。Safe Modeでは、「例外0Dが049F:0000054Eで発生」、・・・で埒があかないというもの。
【対応】本業はデータサルベージだから、愛用のWin2Kマシンの2台目につなぐと、何の問題もなくドライブ、フォルダが表示され、ご指定のデータを救出確保。
さて「例外0D4」とは何だろう?とインターネットを探すが、「例外」だからいろいろの場合があるらしく、これというご託宣もない。しかしおよそはメモリ、キーボード、デバイスドライバなどの割り込み命令の不具合らしい。試しにメモリを減らしたり、入れかえても症状は変わらないし、Step by Stepで起動してもいろんなVXDを呼んでいるうちにリスタートになってしまう。
では自力更生。まずは、HDのイメージコピー作成。ツールは言わずもがなのDisk Salvage Toolsですね。エラーセクターなし。このコピーHDをわが社のテストマシンのプライマリ・マスターに接続してNormalで起動。やはり最初の「例外0D」でストップしてしまう。しかしCtr+Alt*Delを押すと、「例外0DがNTKERN(01)+0000A596の0028:C002BF2Aで発生。VXDVKD(01)+000001Dの028:C0104AE0からの呼び出しです。このままでもかまいません。」と出るから、Enterを押すと、また最初のメッセージに戻り、再度Ctr+Alt+Delを押すと今度は再起動してSafe Modeの選択画面。Step by Stepで起動してみる。するとVXDファイルをいろいろ読み込んだ挙句、遂に背景に色が付いて、新しい環境のマザーボードやいろんなデバイスを認識し始めた。ここでマウスがついていないことを指摘されたが、事実なのでそのまま続行。IEEEとかEtherNet, ディスプレイアダプタとかSCSIとかサウンドとかは全てキャンセル。完了にたどり着く。マウスをつけて再起動、見事復活。締めくくりはこのHDを元のPCに収めて無事起動するのを確認したのであります。
コピーするということには何か不思議な力があるものですね。(それともマウスを付け忘れたのが良かったのかなあ?)
04/01/04(日)晴
『現代百人一首』
  寂かなる夜を襲う雨 グレゴール・サムザむざむざ死に絶えにけり                      (大塚健)
暮に買った島本理生の小説は途中で中二の娘にプレゼントしてしまったので、整理しなくてはと十数年来毎度思う物置の引き戸を開けて転がり出た朱色の箱入り小型本一冊携えて事務所にきた。『現代百人一首』塚本邦雄撰/1977。ハードディスクのフォーマットやコピーをする傍らで、切れ目の位置を探して何度も声に出して読む。何でこの本があるのかなあとを思い出そうとしていた。
  ゆく水の末の戀ほしも五月野にただ吾のみの陽を浴びて佇つ
                                     (畑中冨美子)
これは「われてもすえにあわんとぞおもう」が下敷きかな。
  おくやまにわれよりほかのあのときくさびしきはてのこれかそらみみ
                                     (和田三郎)
あのとは跫と解説にある。それで切れ目もわかった。おくやまにといえばもみじ踏み分け鳴く鹿のですね。
  ゆさゆさと桑負ひ歸る娘に逢へり月清ければもの言わざりき
                                     (辰川弘温)
今宵会う人みな美しきだったか。うーむ、いろいろ関連しています。
  あんまり東京に行けないので、おじゃまできません。 おっと、これは昔のインストラクターからの今年の賀状の添え文でした。他のはいろけがないな。
  聖日を汚れてそそぐ河の町はや祝されざる少女頬寄せ
                                     (安田勲)
はやは「町はや」で切れるんですよね。強調・感動としとこう。ゴシックローマン調です。
 父にあげたら、塚本邦雄の選評にいろいろ異論を書き込んでいた。
  紋白の翅透きて蟻に曳かれゆく夕べの風のすでに冷えてゐて
                                     (辻泰子)
「作者の目には些かの感傷もない」vs 「感傷も感動も心の綾なり。それなくて何の句ぞ」
  つね光る雲と一樹を遠景にもちて厨をわが城となす
                                     (原ナナ)
「清清しい信条だが、この「城」・・・意外に脆いのではなかろうか」vs「安住は脆い。然しこの場合むしろ諦観と読みとるべきだ。」
  雪ふぶく湖の底ひに潜む魚寂けからむかわれのひと世も
                                     (森脇善夫)
「・・・人間は果たしてそのやうな静寂に耐へ得ようか。イエスは死海を見つつ天國を希った。」に斜線を引き、「水底に眼のなき魚の住むと言ふ眼のなき魚の恋しかりけり」
その父は15年程前に死んでしまったが。
  この死ありかの死ありにきぬばたまのK冱え冱えし喪服をたたむ
                                     (塩見イキ子)
こういう一首も眼にしていたわけだ。もって瞑すべし。
あとがきまで読んで本を置くと、1月4日の窓外ははや薄墨色に暮れなずんでいた。

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